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ィング)の機能を持つためレーダーの映像上で何処で発射されているかが確認できることによる。
日本では自船レーダーによる点検は許可されていないが、以下にその概要を述べる。
[概要] 船舶用レーダー(Xバンド)を使用し、SARTへのレーダー電波の照射に応じた信号波が受信され、レーダー指示機に表示される状況によって整備状況を点検する。
屋外でのレーダーによる整備点検ではSARTからの発信電波が周囲に放射される。そのため他のレーダーの運用上の支障にならないように、また「遭難して発射されたもの」と誤認されることが無いように細心の注意を払って実施されることが必要である。具体的には、SARTの信号が海上部分に表示されないようにレーダーが見通しできる陸上にSART本体を置いて動作を点検・確認することが重要である。
動作の点検にあたっては、レーダーの受信感度(利得)を調整して、SARTの応答電波が画面に表示される状況を、画面全周から実際にSARTを置いてある方位およびサイドロープや反射で受信される部分まで変化させる。この受信感度の調整でSARTの送信出力の大小や送信周波数の著しい劣化などの概略を知ることができる。なお、レーダーによる整備点検ではSARTを置いた側の担当者は、SARTの応答信号を確認するレーダー側とよく連絡をとりながらSARTの電源スイッチを「接断」すること。この時間はレーダーアンテナが1〜2回旋回する程度の時間とする。電源スイッチを「接」にしたときに、動作状態を表示する緑色発光ダイオードが点灯し、レーダー電波が受信されたときにはSARTからモニター音がプッ、プッというように聞こえることを確認すること。
[点検項目] ・レーダーでの受信状態での確認
・発信・応答の確認
発信出力、発信パルス幅、受信感度の概略
・電池の有効期限

 

 

 

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